至って質素に今年も終わる

大晦日 今年も早いもので最後の日になった。

 故郷では昼食時に、塩引き(塩鮭)と色々なご馳走を食べ『年取りをした。一年で最も豪華な昼食だった。元旦は分家などが年始に来るため、一日中慌ただしい。早めに年()を取ってしまおうとでもしたのか、理由は不明。

 妻は、暖かい陽射しの中、寒さが続き延び延びになっていた、和室の障子紙を剥ぐ作業。





 貼るのは明日。元旦から忙しいことになる。





 次いで仏壇の掃除をして、花を飾る。





 1900年(明治33)に仏壇職人が3カ月間泊まり込みで組み立てたという仏壇だが、4回の引っ越しでだいぶ傷んでしまった。





 そして和室や居間の掃除。私は、庭で太陽灯の釜を解体して綺麗にする。とは言っても20年以上使用している骨董品のようなものなので、これ以上は無理。

 製造元の黒田製作所(コーケントー)の人からは、10年以上前に新品にしたほうがいいと言われたのだが、15万はするので「分かりました」とも言えず、今日まで来ている。





 夕食は熱々の蕎麦(木曾蕎麦・油揚げ・葱・白菜)、麩羅(菊芋・茄子・ピーマン・サツマイモ)、とろろ汁。

 テレビがないので紅白は見ない。テレビがあった時も見なかったが・・・。そんなせいか、娘は芸能人などの俗世間に全く興味がない。

 山口メンバーが不祥事を起こした折、職場の仲間は「山口が可愛そうだと言って、泣いていた。何で泣くんだろう。山口が悪いのに、ジャニーズなんか興味がない」と一刀両断。

 話すことは一々図星だが、一事が万事こんな具合だと友達が出来難い。しかし本人は全く意に介していない。輪廻転生とは言っても、娘としての人生は1度切り、悔いのないように生きればいい。

 多少の何だかんだはあったが、至って質素に今年も終わる。深夜、遠くで除夜の鐘が鳴る。今までは、近所にお寺がなかったり、あっても浄土真宗のお寺だったりして、除夜の鐘は、テレビかネットで聞くしかなかったが、ここは本物の鐘が聞こえる。情緒があっていい。

 因みに故郷では年越しに蕎麦を食べる習慣はなかった。故郷を離れてからは、郷に入れば郷に従えでもないが、簡単なので食べている。


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